本棚の上に靴が片方

体重計を買って帰ってきた日，やけにうちの床が
きれいだと思ったら，私のいない間にだれかがう
ちのフラットの床を掃除していったようだった．
そこまでは，即座に事情が飲み込めたのだが，一
瞬にして，その納得が動揺に変化．

私の部屋の様子が，どうもおかしい．

本棚の上に，緑色のブーツが片方置いてあり，
ゴミ箱の位置が変わっていて，机の上にあったPC
の電源が切れている．テレビ録画タイマーしていた
から，つけっぱだったのにー！(もちろん録画でき
てない)！何だこれは！？どどど，どろぼー？

金目のものはもともと何もないのだけど，一応パス
ポートも航空券もあることを確認．
やっぱり掃除のひとなのか？

それで体重計に乗ったら重くなってるし･･･それも
あってか，ショックのあまり寝込んだ．

次の日，学生アパート斡旋財団に抗議のメールを
出したが，なしのつぶて．ほんとあそこの職員も郵
便局なみのひどさだからな．しょうがないか．

その次の日の昨日．
部屋に戻り，疲れた～とベッドにねっころがった．
足の先に，洋服ダンスが見える．あれ，いつもとな
んか違う・・・と思ったら！ベッドの下にあったでかい
スーツケースが，タンスの上に乗っけられていた！
2m以上の高さはあろうかというタンスの上に！
い，いつのまに！

それまで気づかなかった私もなんなんだけど．
事件から立ち直れたと思ったのに．
もう起き上がれないほどの衝撃だった．

大使館訪問(2)

「ビザを取りにきました」
とインターホンで伝え，ドアが開いたので，大使館
の敷地中に入って，どっちに行けばいいのかな？
と歩いていたら，後ろから「すいません！」と声が
聞こえました。振り返ったら，鉄の扉に手と足をは
さんだ，花柄のワンピースと帽子をお召しの女性
がこちらを見ている。

「あなたたちはなぜ大使館の中に入っていけるの
ですか？」
は？え・・・ビザの申請に来たので・・・
「え，この国に行くにはビザ必要ないですよね？」
あの，私は長期で留学するので，ビザが必要なの
ですが。。。
「あー，そうだったんですか！いや，そんなね，大
使館の中に入っていく人なんてめずらしいし，どう
して入っていけるのかなーと思って！それじゃあ！」

と，その女性ははさんでいた手足をドアから放し，
去っていきました。

何だったんだろう・・・